渚のお釈迦サマー

渚のお釈迦サマー

実に適当なブログです。

又吉直樹「火花」を読んでみた。

 とりあえず読んでみるか。

 最初はそれぐらいの意気込みで読んだ「火花」は、上手いこと自分の心をさらった。一本取られた、とはこの事だ。

 まず思ったのは、ちゃんと小説だ、という驚嘆。

 語彙の多さもさる事ながら、純文学作品と言って差し支えない内容。

 そして面白さ。

 この物語は、2人の芸人の師弟関係を主軸としたお話で、度々起こる2人の芸人ならではの出来事、掛け合いがコミカルで非常に面白い。

 思えばシリアスな展開であるはずなのに、2人の掛け合いのせいで、ふと笑いが溢れる。

 それが、後味をより哀愁深くさせているのだが、これはやはり芸人又吉直樹さんならではだと感じる。

 また、この小説には芸人そのものが描かれている。芸人誰しもが持つ苦しみや恐怖、不安。そして様々なタイプの芸人。将来への展望。

 その結果、2人の関係は少し変わったけれど、きっとこの先も師弟関係は変わらずに続くのだろう。

 不器用な2人の物語は、不器用だからこそ面白いのだ。

 2人の幸せを願いたいと思う。